2026年3月24日 火曜日
3月14日、15日に宇宙AIロボット開発講座「宇宙AIロボットコンテスト(最終コンテスト)」を開催しました。5月の「スタートアップ講座」以降、10か月間かけて製作してきたロボット(ローバー)について、その内容や製作過程での動作試験状況などを発表する事前プレゼンを行ったのち、ローバーの動作内容を競うコンテストを行いました。コンテスト後には、定めたミッションの達成度やコンテスト結果の分析などを報告する成果発表会を行いました。
最終コンテスト結果(6位までを掲載)
1位 高志高校
2位 金津高校
3位 高志中学校
4位 武生高校
5位 鯖江高校
6位 武生商工高校
1日目
まず最初に、製作したローバーに関する事前プレゼンを行い、各チームがローバーのミッション、動作試験状況、コンテストに向けた展望などを発表しました。ミッションについては、「火星の希少サンプル発見・回収および環境計測を行う」「火星有人探査を効率的に行うための火星地表面マップ化を行う」「火星での太陽光発電の有用性検証を行う」「火星地表面での音声発生源を調査する」など、講座のテーマである『火星探査』に基づいた趣向を凝らしたミッションが発表されました。併せて、次年度メンバーに製作物や研究成果を効率的に引き継ぐための引継ぎ資料に関するPRも行われました。
事前プレゼン後、各チームがローバーの最終調整を行い、その後、いよいよ最終コンテスト1回目が行われました。多くのチームが、ローバーが自動的に進行経路を判断し動作するという難易度の高いプログラミングによる自律動作の実現を目指して、コンテストに臨みました。各チームが作成したプログラミングの内容には、AI機能で学習させた目標物の物体認識を行い進行方向を特定する、コンテストコースのマッピングデータをもとに動作経路を判断する、マイクセンサーによりコンテストコースに設置された音源方向を特定して動作する、などがありました。練習ではうまく動作したのに本番では予期せぬ不具合が生じ対応しきれなかった、というチームもありましたが、コンテストの得点は1回目と2回目の得点で高かったほうが採用されるため、コンテスト1回目の後にはどのチームも2日目のコンテスト2回目に向けて、必死に機体調整に取り組みました。
2日目
午前中に最終コンテスト2回目を行いました。1日目のコンテスト1回目で出てきた課題を解決すべく、受講生たちは時間ぎりぎりまであきらめずに
午後には、最終コンテストの結果とその分析内容を盛り込んだ、これまでの製作作業における探究の成果を報告する成果発表会が行われました。コンテスト結果の分析としては、AIによる物体認識を行うための機械学習を画像データ2988枚分行った結果、物体認識の信頼度0.9以上を達成したこと、9軸センサーによる角度データが取得できなかっため自律動作での進路特定ができなかったこと、音情報取得による進路特定の際に壁での反射音を感知したことでローバーが壁に向かって進んでしまったこと、などが報告されました。来年度に製作を引き継ぐ後継者たちに向けた今後の展望としては、より正確なマッピングデータを作成してほしいこと、分散型探査のための子機製作をしてほしいこと、3Dプリンターを用いてローバーの外見を整えてほしいこと、などが報告されました。
成果発表会後、結果発表および表彰式が行われました。審査委員長の中須賀教授より、順番に上位入賞ームが発表され、最後に優勝チームが発表されたときには、メンバーは席を立ちあがりハイタッチで喜びを分かち合っていました。優勝チームには副賞として、東京大学中須賀研究室およびJAXA相模原キャンパスの研修旅行が贈呈されました。また、協力企業の株式会社ナカテック様からは、第1位から第6位のチームに、順位に応じた製作補助金が贈呈されました。さらに、協力企業のセーレン株式会社様からの特別賞(セーレン賞)には金津高校チームが選ばれ、中須賀教授および青柳准教授の直筆サイン入りオリジナルタペストリーが贈呈されました。
受講生からは、「1回目のコンテストでは望むような動作ができなかったが、磁石がモーターの回転に及ぼす影響や、他機体の無線通信による干渉の影響など様々な原因を考察した過程は非常に良い経験となった。また、2回目のコンテストでは、実際にサンプル設置場所に向かって自動で接近してサンプル物質を回収することができたので達成感を感じた。」「AIやプログラムという情報工学系の分野は今まで触れてきた事がなかったので、この1年間は自分の人生の知見を広げられるとても有意義な期間となった。」「3Dプリンターの使い方を学ぶことができて、ものづくりの楽しさに気づけた。」「複合的に様々な経験ができたとても最高の講座でした。技術力だけ、マネジメント力だけなど偏った力だけでは突破できない課題解決型の講座で、今までにない最高の講座だと思います。ありがとうございました。」「この講座を通じて、宇宙工学への興味がより一層高まりました。5月に始まった時は、自分も無知な状態で、一からのスタートでした。多くの困難を乗り越えて、技術を磨き、仲間と切磋琢磨しながら歩んできた10か月はとても価値のあるものであり、本当に楽しかったです。」などの感想が得られました。