実験の記録 Record

2021年12月20日 月曜日

R3 わくわく!アドバンス実験講座(第3回)

 12月19日(日)に第3回わくわく!アドバンス実験講座を開催しました。わくわく!アドバンス実験講座は理科についてもっと深く学びたいと考えている生徒の皆さんに、科学的な思考力および実験操作技能の向上を目指し、自然の事物・現象について深く理解することを目的としています。今回は、福井県内の高校生31名(全6校)の高校生が物理・化学・生物の各講座に分かれて実験を行いました。

 

物理分野「モーションセンサーによる解析」

 chromebookと、モーションセンサーを使って、力学台車(スマートカート)の運動を解析しました。水平面上や斜面上で等加速度運動させ、得られたデータから作ったx-tグラフとv-tグラフを分析することで、加速度を求めました。実験結果をグラフ化することで、摩擦がいくらかあることに気づき、摩擦係数を求めました。摩擦係数は、速さ・質量・角度・材質のどれに関係あるかを求めるため、条件制御を意識して実験方法を考えて探究しました。最後は実験の考察をスライドで発表しました。生徒からは、「仮説と違っていた班の発表を聞いてそこからまた新しい疑問や考察ができてとても面白いと思いました。」「ものは進化しても、ものを使う側の人間が使いこなせないと、まともな実験ができない。今までの実験は先生に言われたことをやっていただけだったが、今回の実験は自分たちで仮説を立てそれを確かめるための実験だったのでとてもおもしろかった。」などの感想がありました。

 

化学分野「キレート滴定」

  様々なミネラルウォーターを使用して石けんを溶かしたときの泡立ちの様子を比べたりすることで硬水と軟水の違いを確認しました。その後、未知試料に含まれているカルシウムイオンとマグネシウムイオンの濃度を、EDTAという試薬を用いたキレート滴定により求め、硬度を計算しました。実験で算出した硬度とミネラルウォーターの商品ラベルに表示された硬度を比較し、未知試料を特定していきました。最初は、ホールピペットやビュレットなどのガラス器具の扱い方に試行錯誤していましたが、失敗しても何回もチャレンジしながら実験を行っていました。限られた時間で効率よく実験しながらも滴定の誤差を減らすために、各班役割分担をしながら楽しそうに実験を行っていました。 生徒からは、「飲料水の硬度測定は、難しかったけど、実験の内容がとても面白くて学校に戻ってからもこの技術を生かしたいと思った。」「誤差の考え方についてとても勉強になった。」などの感想がありました。

 

生物分野「フィンガープリンティング

 犯行現場に残された犯人のDNAと、容疑者5人のDNAと比較して犯人を捜すフィンガープリンティングを実施しました。実際には、現場に残されたDNAや容疑者のDNAを制限酵素で切断し、電気泳動でDNAをDNA断片の長さを利用して分け、比較して犯人捜しをします。生徒は、マイクロピペット、電気泳動装置と使い慣れていない器具を使いこなし見事に犯人を突きとめていました。生徒からは、「DNAがそもそもマイナスの電気を帯びていることを初めて知った。DNAを切ることができる酵素があることも初めて知ったので、驚きの連続だった。」「電気泳動にゲルを置く向きの意味や、なぜ短いほうが遠くへ移動するのだろうという疑問など、普段はあまり気にしないようなことも知ることができてよかったです。」との感想がありました。

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