実験の記録 Record

2024年2月22日 木曜日

サイエンスラボ 缶サット High School 2024「 缶サット電子系講座」を行いました

日 程:令和6年2月17日(土)、18日(日) 9:00~16:30
場 所:物理ラボ・生物ラボ
参加者:県内高校生、県立中学校生 計63名

講 師:北出 由之 氏(日野電子株式会社)
    望月 友貴 氏(東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻修士課程2年)
    瀬戸 翔一 氏(東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻修士課程1年)
    中村 陸希 氏(東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻修士課程1年)
内 容:1日目 缶サットについての講義、ミッション決定、動作確認、基板製作
    2日目 プログラミング講習、プログラム製作、基板製作

 2月17日、18日に缶サットHigh School「缶サット電子系講座」を開催しました。今回の講座では缶サットに搭載する電子系機構の製作をとおして、電子回路やプログラミングの知識と技術を習得しました。日野電子株式会社と東京大学から講師をお招きして直接指導していただきました。講座には63名(県内11高校と1中学校の12チーム)が参加し、来年度に開催する「ふくい缶サットグランプリ」への参加を目指し、大会で使用する缶サットの電子系機構の製作を行いました。

1日目

 この日はちょうど福井県産人工衛星を搭載した国産ロケット「H3ロケット」の打ち上げがあり、受講生全員で、打ち上げの歴史的瞬間を講師の解説も交えてライブ視聴し、講座をスタートさせました。H3ロケット打ち上げ成功のニュースによって、これから小型模擬人工衛星「缶サット」を製作する受講生の士気も非常に高まりました。最初の講義では、講師から、缶サットについての説明や、缶サットに搭載する電子回路設計の説明などがありました。電子回路設計の例として、マイコンとブレットボード、光センサー、距離センサーを組み込んだ電子回路を製作し、テストコードを書き込むことで各機器を動作させる実習を行いました。続いてチームごとに缶サットのミッションを考案し、それにもとづいたプログラム製作のためのフローチャート作成を行いました。並行して、実際の缶サットに搭載する基板の製作を行い、マイコンや電源を搭載する基板に、はんだ付けをしていきました。

 初めて体験する実習内容が多かったのですが、みな試行錯誤しながら積極的に活動に取り組んでいました。

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2日目

 2日目は、講師からプログラミングに関する講義を受けました。プログラミングの講義では、事前に用意したテキストでプログラミングの基礎を学びました。変数や条件分岐、関数など、初めてのプログラミングに、手探り状態ながらも取り組みました。ここでは、光センサーとサーボモーターを組み合わせて、明るさによりモーターの動きを制御する、基礎から一歩進んだプログラムを学びました。その後は、チームごとに「プログラム製作班」と「機器実装班」に分かれて作業を行いました。「プログラム製作班」は、チームごとに設定したミッションを行うプログラムを製作していきました。「機器実装班」は、ミッションに必要な機器を基板に配置し、配線図を書いてから、はんだ付けをして、缶サットに搭載する電子回路を少しずつ製作していきました。

 全員がほぼ同じ内容の作業を行っていた1日目と違い、2日目は、チームごとに必要な作業を行いました。自分たちで作ったフローチャートや回路図をもとに作業を進めることはとても難しいことでしたが、受講生は時間いっぱい作業を行い、終了時間ぎりぎりまで講師に質問する姿も見られました。

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 受講生からは、「課題設定、フローチャート発表、電子回路製作、プログラムの書き込みなど、実際に手を動かす活動が多く楽しかったです。講師の方、研究所の方もわかりやすく私たちに寄り添っていただいたので有意義に学べました。2日間という短い期間ではありましたが、実りのある講座でした。7月に行われる缶サットグランプリや今後の将来に向け、プログラミング、電子工作の技術を身につけたいと思いました。ありがとうございました。」「プログラミングを学ぶ中で、エラーを適切に理解し、それに対処していくことに楽しさを感じた。次回講座までの製作でつまずくこともあると思うが、今回学んだことを活かしてミッション達成を目指し活動していきたい。」「今まで宇宙工学という分野に触れたことがなかったけど、今回の講座に参加して将来についての視野が広がりました。6月に行われる構造系講座までに準備を進めて、より良い結果になるように頑張ります!」などの感想が得られました。


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