2025年2月27日 木曜日
2月15日、16日に「缶サット製作講座」を開催しました。今回の講座では、缶サットに搭載する電子系機構の製作と、缶サットの構造系機構の製作を行い、最終的に缶サットのフライト競技および成果発表会を行いました。福井大学と東京大学から講師をお招きして直接指導していただきました。講座には46名(県内8高校の8チーム)が参加しました。
1日目
最初の講義では、講師から超小型模擬人工衛星「缶サット」についての説明がありました。次に、講座で製作する缶サットに対するミッションが発表されました。今回のミッションは「缶サット着陸時にLEDを点灯させよう!」でした。その後、缶サットに搭載する電子回路設計の講習があり、電子回路設計の例として、ブレットボードにマイコンと光センサー、距離センサーを組み込んだ電子回路を組み、テストコードを書き込むことで各機器を動作させる実習を行いました。続いて、チームごとにミッション達成に向けてのフローチャートおよび電子プログラムを作成しました。並行して、缶サットに搭載するマイコンや電源、LED、各種センサーを搭載する基板に、はんだ付けをしていきました。初めて体験する実習内容が多かったのですが、みな試行錯誤しながら積極的に活動に取り組んでいました。
2日目
チームごとに作成した電子プログラムをマイコンに書き込み、自分たちが電子回路に組み込んだ各種センサーの動作確認を行いました。思い通りに動作しなかった時には、電子プログラムや電子回路配線の見直しを行い、修正して、動作を再確認しました。電子プログラムが正常に動作することが確認できたら、製作した電子回路基板にマイコンやLED、各種センサーをセットし、それらを缶サットに搭載してテストフライトに臨みました。テストフライト後は、得られた各種データがミッション達成のためにどのように利用できるかを考え、それぞれの缶サットを完成させていきました。受講生たちは時間いっぱい作業を行い、終了時間ぎりぎりまで講師に質問する姿も見られました。午後にはフライト競技が行われました。今回のミッション「缶サット着陸時にLEDを点灯させよう!」を達成するためには、缶サットの着地を何らかの方法で検知することが求められ、音量測定センサーを用いて着地時の衝撃音で着地を検知するチームや、着地時に缶サット内が暗くなるような構造を設計して光センサーで着地を検知するチーム、温度センサーと加速度センサーを組み合わせて着地を検知するチームなど、それぞれのチームが趣向を凝らした方法でミッション達成を目指し、フライト競技に臨みました。競技の結果、8チーム中4チームがミッションを達成しました。講座の最後に成果発表会があり、各チームが2日間取り組んだ内容や結果を、写真やグラフを交えてプレゼンしました。
受講生からは、「今まで手に取ったことのないセンサーを使ったり、作ったことのない電子プログラムを作成したりと、とても刺激的な経験ができました。」「自分たちでミッション達成方法を解析し、どうすればできるのか仮説をたて、実現するにはどうしたら良いのかマネジメントをし、仮説が正しいのかを確かめ、ミッション達成のためにより奮闘する、という思考力、判断力、マネジメント力、類推力、粘り強さ、プレゼン力…などたくさんのことを複合的に学ぶことができるためとても面白かったです。」「本当にこの講座に参加して良かったと思いました!また同じような講座があったらぜひ参加したいです。」などの感想が得られました。