実験の記録 Record

2020年11月16日 月曜日

R2 アドバンス実験講座(第2回)

11月15日に第2回のアドバンス実験講座を開催しました。

 

物理分野「オシロスコープでの音速測定」

 今回は,オシロスコープを使っての音速測定を行いました。ブラウン管オシロスコープでオシロスコープの原理,基本的な操作方法を学んだ後,各班でデジタルストレージオシロスコープを実際に操作しました。直流や交流の電源,音声や楽器の音色を観察し,波形の違いや振動数の違いを測定しました。また,超音波マイクを発振機と受信機として扱い,オシロスコープで観察される位相のずれから音速を測定しました。測定方法は班で知恵を出し合って考えながら実験しました。「普段の学校では使えない器具で実験できてよかった。」「測定の際の読み取りの精度をしっかりしないと求める結果が大きくずれてしまうことがわかり,読み取り精度が大切だと言うことがわかった。」などの感想が聞かれました。

 

化学分野「クロマトグラフィによる分析」

 今回は、フラーレンの修飾反応として有名なビンゲル反応を行い、生成物を薄層クロマトグラフィ(TLC)およびカラムクロマトグラフィを用いて分離しました。

 フラーレンのトルエン溶液にブロモマロン酸ジエチルとDBUを加えて反応させ、得られた複数の生成物を分離しました。目的の主生成物とそれ以外に得られた化合物について、Rf値を求めたり、分離した生成物の色の違いから物質の構造を考えたりしました。参加した生徒の感想からは「難しい実験で、悩むことも多かったが、実験操作を自分で考えて実験を進めていくことで理解することができた。大学レベルの実験を行えてとても楽しかった。」などの感想が聞かれました。

 

生物分野「大腸菌の遺伝子組み換え」

 今回は、遺伝子組み換えについて、大腸菌にGPF(緑色蛍光タンパク質)の遺伝子を導入する実験をしました。大腸菌にGFPβ-ラクタマーゼ(アンピシリンに抵抗力のあるタンパク質)DNAを組み込んだプラスミドをヒートショック法で導入しました。GFPの発見により下村脩博士が2008年にノーベル賞を受賞されています。GFPが導入された大腸菌は現在培養中で次回の講座で光る様子が観察されることとなります。参加した生徒の感想からは「難しい内容であったが、遺伝子組み換えが思ったより簡単にできた。」「マイクロピペット、クリーンベンチ等初めて使用する器具が多かったが、無菌操作を体験できて良かった」「次回の講座で光る大腸菌を観察するのが楽しみ」との感想が聞かれました。

 次回は12月13日(日)に開催します。

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