2020年11月25日 水曜日
今回は、東京大学の教授であり、福井県県民衛星プロジェクト支援事業の顧問でもある中須賀真一先生とその研究室の学生2名を招いて、東京大学の研究者に学ぶ講座「超小型人工衛星開発講座」を開催しました。県内の高校生16名(5校)が参加し、人工衛星につながる缶サットの目的や構造を学び、缶サットの製作を行いました。参加した高校生は、缶サットを製作する中で課題を見つけ、ミッションを達成するために試行錯誤しながら取り組みました。
1日目は、中須賀先生から、超小型人工衛星の開発や缶サットについての講義がありました。その後、今村さんから、宇宙工学を目指したきっかけや、缶サットを通して学んでほしいことについての講演がありました。お2人は、最先端技術だけでなく、「研究」に対する思いや、「研究」をしていく中で感じた思いを語ってくださり、受講生は目を輝かせて話を聞いていました。その後、ミッションの説明があり、参加した生徒たちは手探り状態ながら、缶サット製作を行いました。
2日目は、引き続き、缶サット製作を行いました。今回のミッションでは「親機と子機の空中分離」「空中撮影」「落下時間制御」「軟着陸制御」という4つの課題があり、その課題をクリアするために、缶サットの構造を工夫しました。実際に缶サットをドローンから落下させると、落下時間がはやすぎたり、落ちた時の衝撃が強すぎたりと多くの問題点が見つかりましたが、一つ一つ修正することで自分たちの理想とする缶サットに近づけました。実験-修正-実験を何度も繰り返し、3日目のコンテストに向けて時間いっぱい取り組みました。
3日目は、缶サットのコンテストが行われ、コンテストではほとんどの班が成功をおさめました。すべての班が「軟着陸制御」の課題をクリアしており、優勝した班は4つの課題すべてをクリアし、満点となりました。その後、事後プレゼン作成の時間では、缶サットの構造やフライト結果を、どうしたらわかりやすく説明できるか考えました。発表では、図を利用して構造をわかりやすく説明し、失敗した原因を論理的に考察しまとめました。
参加した受講生からは、「コンテストは残念な結果だったが、缶サットの構造を通してエンジニアの面白さを体験することができた。」「宇宙工学を進路選択の一つとして考えるきっかけになった。」「試行錯誤して大変だったが、ものづくりはとても楽しかった。」などの感想が得られました。