実験の記録 Record

2022年12月10日 土曜日

R4 第3回わくわく!アドバンス実験講座

令和4年12月10日(土)9:30~15:30 於:福井県教育総合研究所 サイエンスラボ

 

 第3回わくわく!アドバンス実験講座を行いました。この講座は、理科についてもっと深く学びたい、または実験をしたいと考えている高校生の皆さんを対象とし、科学的な思考力と実験技能の向上を目指しています。今回は、福井県内から5校、15名の高校生が実験に取り組みました。

★物理講座「センサーを使って実験を解析しよう」

 chromebookと、モーションセンサーを接続し、力学台車(スマートカート)の運動を解析しました。水平面上や斜面上で等加速度運動させ、得られたデータから作ったx-tグラフとv-tグラフを分析することで、加速度を求めました。実験結果をグラフ化することで、力学台車と床の間のわずかな摩擦力が確認できることに気づき、その摩擦係数を求めました。午後からは、その摩擦係数が、速さ・質量・角度のどれに関係あるかを求めるため、条件制御を意識して実験方法を考えて探究しました。最後には実験の考察をスライドで発表しました。

 参加した生徒からは、「最後の探究実験で、傾きとの関係を求めることが、公式もあるし簡単だと思っていたけど、難しいのは条件設定ということがわかりました。別の班の発表を聞いて、理論的にはそうなるのかなと思っても、実験すると予想通りに行かないということに驚きました。学校の授業ではなかなか体験できない自分で考察をするということができて、とても楽しかったです。」「今回は実験の内容を全て完璧にできたわけではなく、時間内に確かめられなかったり、途中で方針を見失いかけたりしてしまいました。 しかしその中で、今回取り扱った運動のように今まで物理の問題でよく見てきたものを、違う観点から観察したことで、この運動の新たな要素を垣間見ることができた気がしました。 自分は理系に所属しているため、グラフから推測することがこれから多くなると思うので、それまでにはその作業に慣れておきたいと思いました。」などの感想が聞かれました。

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★化学講座「ダニエル電池の内部抵抗を探究しよう」

 はじめに、「ダニエル電池の仕組み」、「化学的視点から内部抵抗の要因を考察した場合、非常にたくさんの要因を挙げることができること」を学びました。今回の探究では、数ある要因のうち、硫酸亜鉛(Ⅱ)水溶液の濃度に焦点を当て、その濃度と内部抵抗値の間にどのような関係があるかを見いだし、内部抵抗値が最も小さくなる濃度を見つけることを課題としました。目的達成のためには、闇雲に実験を進めるのではなく、仮説→実験→考察→仮説…といった探究の基本ルーチンを回す必要があること、他の要因は変化させてはならないため、条件統一に細心、最大の注意を払いながら実験を進める必要があることを確認し、探究を行いました。

 参加した生徒からは、「細かいところまで正確に行わないといけないのでとても難しかった。学校で使った実験器具よりも精密なものがたくさんあって楽しかった。また機会があったら参加したい。」「たくさん失敗し、かなり手こずったが、グラフの外形は掴めた。単純な1次関数のグラフではなく、極大値や極小値のあるグラフになった。よりサンプルをとることで、疑問が深まる実験だと感じた。このような長期的に考える実験では、仮説を立て、たくさんサンプルを取ることが大事だとわかった。」「いつも実験の失敗が怖かったが、原因を考えることが大事だと分かりました。」という感想が聞かれました。

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「わくわく!アドバンス実験講座」令和4年度の分は、この第3回をもちまして全日程を終えました。令和5年度も年間3回実施する予定です。ぜひご参加ください。


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