2023年7月19日 水曜日
令和5年7月16日(日)9:30~15:30 於:福井県教育総合研究所 サイエンスラボ
第1回わくわく!アドバンス実験講座を行いました。この講座は、理科についてもっと深く学びたい、または実験がしたいと考えている高校生の皆さんを対象とし、科学的な思考力と実験技能の向上を目的としているものです。今回は、福井県内から8校、72名の高校生が物理・化学・生物の各講座に分かれて実験を行いました。実験の後はまとめを行い、実験の考察についてスライドで発表を行いました。
★物理講座「力学運動の解析」
物理講座では3つの実験を行い、それぞれ実験結果の予測、検証、考察などを行いました。1つ目の実験では、なめらかなレール上を運動する小球の速さは質量に関係しないということがわかりました。2つ目の実験では、なめらかなレール上を運動する小球の速さとスタート点の高さの関係をグーグルスプレッドシートを用いてデータ処理し、無理関数のグラフを得ました。3つ目の実験では、斜面・ループ・低速域・水平投射を組み合わせたレールコースを各グループで作成し、落下地点の予測値の計算などで得点を競いました。
参加した生徒からは、「物理についてもっと知りたくなったし、いろんな考え方を他校の人と共有できてよかった。」「いつもノート上で計算を行っていて結果が想像しにくかったのですが、実際に実験をして結果を自分でまとめ調べることで物理という学問を真に楽しむことができたと思いました。」という感想が聞かれました。
★化学講座「pHセンサを用いた滴定曲線の作成」
午前は、シュウ酸標準溶液を調整し、水酸化ナトリウム水溶液の濃度を滴定によって決定(二次標準溶液)しました。午後はpHセンサを用いてリアルタイムに溶液のpHを表示させながら、二次標準溶液を用いた10倍希釈食酢の滴定実験を行い、滴定曲線を作成しました。容量フラスコを使用した正確な濃度の溶液調整、1滴を正確に滴下する技術の習得、作図による中和点(当量点)の決定など、普段、学校ではなかなか経験できない実験をとおして、滴定実験の基本操作を着実に身につけることができました。
参加した生徒からは、「学校で中和滴定をした時は、あまり正確にしなかった為に実験結果にかなりばらつきが生じていたけど、今日は正確にやったので、実験結果に0.02くらいの差しか生じなかったので驚いたし、しっかり実験できたのだなという達成感がありました。」「本日の実験で沢山学べました。器具の使い方も詳しく教えてもらえて、これから実験する時にもそうしようと思いました。ドロップカウンタがある事で実験が効率化されていて、今の技術は進歩していて凄いなと考えさせられました。」「実験はこんなにもとても細かく精密にやるものなんだと思いました。mol計算などは習っていませんでしたが先生方がしっかり教えてくださってやりやすかったです。」「化学は楽しいということがわかりました。」という感想が聞かれました。
★生物講座「アルコール発酵」
福井県は日本酒の醸造所が多い県です。どのように日本酒を醸造しているのか講義を受けた後に、酵母菌のアルコール発酵におけるエタノールの影響について、仮説検証実験を行いました。各班で、エタノールの濃度を0%~25%の範囲内で変化させた発酵溶液を調整し、キューネ発酵管で反応を起こし、 時間の経過と発生する二酸化炭素の量的関係を明らかにすることで検証しました。 その後、結果をスライドにまとめて発表し、互いの検証について考察しました。
参加した生徒からは、「実験の条件を自分で考え、実際に実験し、考察するのは初めてだったので良かった。」「酵母菌はエタノールによって発酵する力が弱まるので、日本酒を作ることは技量がいることだとわかった。他の洋酒などの発酵とも比べて実験をしてみたいと思った。」という感想が聞かれました。
わくわく!アドバンス実験講座は、第2回を12月16日(土)、第3回を3月10日(日)に計画しています。ぜひご参加ください。