実験の記録 Record

2020年12月20日 日曜日

R2 アドバンス実験講座(第3回)

12月13日(日)に第3回のアドバンス実験講座を開催しました。

 

物理分野「センサーを使って運動を解析しよう」

 今回は、「スマートカート」という力学台車を使って実験を行いました。このスマートカートには測位センサーや速度センサーなどが搭載されており、その情報をiPadで分析しました。板で作った斜面上でのスマートカートの等加速度直線運動を解析し、加速度を求めました。運動方程式から求められる加速度の理論値との比較でスマートカートにも摩擦力がはたらいていることに気付き、精密な測定を行うことで摩擦力を求めることを見いだし、実験を行いました。受講生からは「教科書には載っていない、摩擦力が何に関係するかを実験により求めるところが楽しかった。」という声が多く聞かれました。また、3回のアドバンス実験講座を通して、「普段の学校ではできない実験ができてよかった。」「データをとって、分析し、どう解釈するかを考える力が身につきました。」などの感想が聞かれました。

 

化学分野「金属イオンの定性分析」

 金属イオンが含まれている溶液に陰イオンを加えると、沈殿が生成したり、錯イオンとなって再溶解したりします。今回は、仕切り板を使って様々な金属イオンと陰イオンの反応を確認しました。その後、2種類以上の金属イオンが含まれている未知の溶液を沈殿生成や再溶解反応などを利用することで、含まれている金属イオンを特定、確認する「定性分析」を行いました。未知の溶液を特定する際には、グループごとに実験操作を考えて実験進めていき、その結果を考察していきました。最後に、実験手順や結果、考察をパワーポイントにまとめ、全体で発表を行いました。 参加した生徒の感想からは「一つだけの結果ではなく、いろいろな実験結果から比較することが大切であることがわかりました。」「沈殿した物質が本当に予想していた物かどうか、確認することが大切だとわかりました。」などの感想が聞かれました。

 

生物分野「フィンガープリンティング」

 フィンガープリンティングとはDNA分子上の制限酵素切断位置などをもとに、個体や特定領域のDNAを同定する手法のことです。今回は犯罪現場に残された指紋のDNAと容疑者1~5のDNAを比較し、犯人を見つける実験をしました。DNAを制限酵素で切り、電気泳動装置でDNAを分子の大きさで分離する操作を行い、犯人を特定しました。参加した生徒の感想からは「容疑者のDNAから犯人を特定するのが楽しかった。」「考察しながら進めていく実験が楽しかった。」などの感想が聞かれました。

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今年度のアドバンス実験講座は今回で終了です。また、来年皆様に会えることを楽しみにしています。


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