2022年7月19日 火曜日
令和4年7月17日(日)9:30~15:30 於:福井県教育総合研究所 サイエンスラボ
第1回わくわく!アドバンス実験講座を行いました。この講座は、理科についてもっと深く学びたい、または実験がしたいと考えている高校生の皆さんを対象とし、科学的な思考力と実験技能の向上を目的としているものです。今回は、福井県内から10校、39名の高校生が物理・化学・生物の各講座に分かれて実験を行いました。実験の後はまとめを行い、実験の考察についてスライドで発表を行いました。
★物理講座「落下地点の予測」
水平投射、斜方投射、床との跳ね返りの原理を応用して、レールから投射された小球がワンバウンド後に落下する場所を実験により予測しました。レール上で小球を放す位置と打ち出し速度の関係、床との反発係数についてデータを取り、目標とする落下地点に落とすためにはレールのどこから放すとよいかを求めました。講座の中では、落下地点によって得られる得点を競うゲームを行いました。
参加した生徒からは、「普段の学校の授業では体験できないような実験をとおして、物理の新たな面白さを知れて良かった。今後もこのような活動があったら積極的に参加していきたいと思った。」という感想が聞かれました。
★化学講座「pHセンサを用いた滴定曲線の作成」
午前は、シュウ酸標準溶液を調整し、水酸化ナトリウム水溶液の濃度を滴定によって決定(二次標準溶液)しました。午後はpHセンサを用いてリアルタイムに溶液のpHを表示させながら、二次標準溶液を用いた10倍希釈食酢の滴定実験を行い、滴定曲線を作成しました。精密電子天秤によるシュウ酸二水和物の精秤、容量フラスコを使用した正確な濃度の溶液調整、1滴を正確に滴下する技術の習得、作図による中和点(当量点)の決定など、普段、学校ではなかなか経験できない実験をとおして、滴定実験の基本操作を着実に身につけることができました。
参加した生徒からは、「こんなに、正確さに気を付けた実験をしたことがなかったので、とても勉強になった。」「滴定曲線を初めて作成したが、pHジャンプの部分が思ったより斜めになっていることに驚いた。」「とても楽しく学ぶことができた。次の講座も必ず申し込みたい。」という感想が聞かれました。
★生物講座「アルコール発酵」
酵母菌のアルコール発酵におけるエタノールの影響について、仮説検証実験を行いました。各班とも、キューネ発酵管にエタノールの濃度を0%、10%、20%と変えた発酵溶液を調整し、時間の経過と発生する二酸化炭素の量的関係を明らかにすることで検証しました。その後、結果をスライドにまとめて発表し、互いの検証について考察しました。
参加した生徒からは、「自分の高校の研究で酵母について研究しているが、発酵効率を上げるために、糖の種類を変えたり、pHを調整したり、温度を変えたりすることばかりで、異なるアルコール濃度下での酵母の反応について考えていなかったため、今回のこの企画をとおして視野を広げることができて良かった。」と感想が聞かれました。
わくわく!アドバンス実験講座は、第2回を11月12日(土)、第3回を12月10日(土)に計画しています。ぜひご参加ください。