2022年7月25日 月曜日
7月23日、24日に缶サット High School「ふくい缶サットグランプリ」を開催しました。このグランプリは、令和2年度に開始したもので、今回で3回目を迎えました。「電子系講座」、「構造系講座」、そして「ふくい缶サットグランプリ」の全てを集合型で実施できたのは、今回が初めてとなりました。最優秀校には高校生缶サットの全国大会である「缶サット甲子園」への出場権が与えられます。今年度は県内から6校が参加し、これまでの講座や学校での部活動、課題研究等で製作した缶サットを持ち寄って、自らが設定したミッションの達成度を競いました。審査員は、各校の「ミッション概要資料」「事前プレゼン」「フライト競技」「事後プレゼン」を総合的に評価し、「最優秀校」を1校、優秀校を2校を選出しました。今回は更に、審査員特別賞も1校選出しました。
事前プレゼンでは、各校とも、自分たちが設定したミッションの目的や意義、新規性について、また、缶サットの構造について、論理的に詳しく説明していました。さらに、ミッションの達成度を「ミニマムサクセス・フルサクセス・エクストラサクセス」の3段階に分け、それぞれをどのように評価するかについても、わかりやすく説明していました。継続研究を行っている学校はどの学校も、電子回路やプログラムに改良が施されており、以前よりも着実に進化していました。
【各チームの缶サット】
フライト競技では、缶サットをドローンに積んで上空50mから投下しました。これまでの講座で実施した試行フライトでは、パラシュートが開かない場面が何度も見られたため、1回きりの本番フライトでどうなるか、かなりの緊張感が漂っていましたが、各校ともパラシュートが無事開き、缶サットの落下に成功したので、みな安堵の表情を浮かべていました。一方、それぞれのミッションについては、期待されるデータが取れなかったり、機体の一部が壊れてしまったりと、トラブルが発生して悔しい思いをした学校もありました。
事後プレゼンでは、取得したデータを一晩かけて詳細に分析したり、様々な要因について複合的に解析したりして、失敗したミッションの原因について追究した結果を、論理的に発表していました。また、明らかになった原因を取り除くための具体的な改善プランについても提示し、そのプランについて、いつまでに何をするのかという今後のマネージメントについても発表し、次のステップへの意欲を示していました。
参加した受講生からは、「締め切りがある中で、目標に向かって着実に作業を進めていくのは、普段の学校生活では味わえない貴重な体験だったと思う。また、何度もこの大会に出場して、だいぶ慣れてきて、その中で今回は指定されたマイコンとは別のマイコンを使ったり、小型化したり、さまざまなことに挑戦できて楽しかった。」「各校それぞれの工夫やアイディア等を知ることができて良かった。各校それぞれ失敗原因があることが分かったので、そういったものも参考にしながら我々の缶サットも発展させていきたい。」「今年はどのチームも実施する研究が面白く、他のチームを見ているだけでも楽しかった。自分たちの発表は完全な成功ではなかったけど、これまでと比較するとかなりよくできたと思った。来年に向けて、今回わかった問題点を洗い出していきたい。」などの感想が寄せられました。
最優秀校 … 福井県立高志高等学校
優秀校 … 福井県立科学技術高等学校、福井県立若狭高等学校
審査員特別賞 … 福井県立高志中学校