2024年9月15日 日曜日
9月14日、15日に缶サット High School「ふくい缶サットグランプリ」を開催しました。このグランプリは、令和2年度に開始したもので、今回で5回目を迎えました。今年度は県内から8校が参加し、本年2月実施の「電子系講座」、6月実施の「構造系講座」を経て本大会に臨みました。「構造系講座」終了から本大会実施までの約3か月の期間を利用して、サイエンスラボに来所してフライトテストを繰り返す学校や、プログラミングに関する技術支援を申し込む学校が大変多く見られました。どの学校も全国大会への切符を手中に収めようと、互いに切磋琢磨しながら真剣に取り組んでいました。審査員は、各校の「ミッション概要資料」「事前プレゼン」「フライト競技」「事後プレゼン」を総合的に評価し、「最優秀校」を1校、「優秀校」を2校選出しました。
事前プレゼンでは、各校とも、自分たちが設定したミッションの目的や意義、新規性について、また、缶サットの構造やプログラミングのフローチャートについて、論理的に詳しく説明していました。さらに、ミッションの達成度を「ミニマムサクセス・フルサクセス・エクストラサクセス」の3段階に分け、それぞれをどのように評価するかについても、わかりやすく説明していました。上位大会である宇宙甲子園缶サット部門への出場権獲得、更にその上位大会の世界大会への出場権獲得までを視野に入れ、継続研究を行っている学校だけでなく、参加した全ての学校が、昨年にも増して高水準の目標を掲げグランプリに挑みました。大会に至るまでに数多くのトライアンドエラーを積み重ねた学校の発表では、そこで得た知見やデータを元に説得力のある発表や質疑応答を行っていました。
フライト競技では、缶サットをドローンに積んで上空50mから投下しました。今年は2回目のフライトを翌日に実施することで、修正する時間を十分にとりました。これにより、1回目で失敗した学校も、2回目はうまく成功させていました。
事後プレゼンでは、取得したデータを詳細に分析したり、様々な要因について複合的に解析したりして、成功したミッション、失敗したミッションについて、わかりやすく表にまとめ、それぞれ取得したデータを用いて論理的に発表していました。また、明らかになった原因を取り除くための具体的な改善プランについても提示し、そのプランについて、いつまでに何をするのかという今後のマネジメントについても具体的に発表し、次のステップへの意欲を示していました。全体的に、昨年度よりレベルアップしたフライト内容および事後プレゼンとなりました。
参加した受講生からは、「今回初めて缶サットというものに触れて、電気工学の楽しさや難しさ、課題を解決した時の達成感を感じることが出来てとても嬉しかったです!また缶サットを通じて宇宙工学に対しての興味を持つようになりました!これから探究活動の一環として今回見つけた課題解決に向けて頑張っていきます!」「自分が学びたかった情報系の学習、特にプログラミングや、CADの活用などを缶サットの製作を通じて試行錯誤しながら意欲的に取り組めたのが良かった。また、プレゼンを行うにあたって、見やすいスライド、わかりやすい原稿を作成するだけでなく、ミッションの正確な定義や質問対策を事前に行うことで、発表についても成長することができた。」「全てが一からの経験で新しいことだったので、とても楽しかったです。ぜひ全国大会に出場したいと思いました。学校では継続して研究を続けていくので、よりよいものにできるよう、これからも頑張っていきます。」などの感想が寄せられました。
最優秀校 … 福井県立高志高等学校
優秀校 … 福井県立武生高等学校、福井県立藤島高等学校